相談員って何するの?

皆さまこんにちは。

Harukichi@社会福祉士です。

 

相談員って、どんな仕事をしているかご存じですか?

今回は、介護老人保健施設(通称:ろうけん)で相談員をしている私の業務内容をお伝えしたいと思います。

社会福祉士の資格取得を目指している方や、転職を検討している方など、老健での勤務を考えている方の参考になればと思っていますので、ぜひご一読ください。

老健ってどんなとこ?

介護老人保健施設(通称:ろうけん)は、介護保険を使って入所する、介護保険施設の一つです。

病院を退院可能になったけれどもすぐに自宅で生活するには不安な方や、自宅での生活が困難になった方が、再び自宅で生活するためにリハビリテーションを含めた様々な準備をするために一時的に入所する施設です。中間施設、なんて呼ばれたりもしています。

        「入所期間は3か月」

なんて言っている施設もありますが、回復期リハビリテーション病院とは異なり明確な期限があるわけではありません。ただし施設によって入所期間に対する考え方は違いますし、3か月という数字にはそれなりの根拠がありますので、また後日記事にできたらと思います。

月々の費用面については本人の収入額や貯蓄額にもよりますが、応能負担ですのでお金があまりない方でも入所できます。また常勤の医師がおりますので、医療面でのフォローもそれなりに行えます。

 

相談員の仕事とは?

老健の相談員は、支援相談員という職名です。ちなみに特養の相談員は、生活相談員と言います。あくまで老健は通過施設なので、生活をする場ではない、ということでしょうか。利用者100名に対し一人必ず配置する必要があります。

実際の業務内容としては、

 ・入所中の利用者の相談

 ・入所を希望するご家族や本人との面談

 ・退所を希望する本人やご家族との面談

 ・入退所に伴う病院やケアマネといった外部との連絡調整

 ・病院受診のための病院との調整

 ・利用者の送迎

 ・クレーム対応              …などなど

と、多岐にわたります。

その中でも赤字にした内容はいわゆるベッドコントロールに関わる業務で、収益にも関係する、支援相談員の業務としてとても大きなウエイトを占めます。今の介護保険制度や報酬制度上、在宅復帰をしている利用者が多い施設ほど、国は評価し高い報酬を得ることができます。

老健における利用者の生活のゴールは、再び自宅で生活することです。したがって、相談員の仕事も利用者が入所したら終わり、ではありません。

入所前に本人やご家族のニーズを把握し一緒の目標を設定する→入所中はその目標に向かって生活を送れるよう施設内の多職種(看護師、介護員や理学療法士など)と連携・協働する→目標の達成度合いに応じて居宅のケアマネジャーと連携し、どのようなサービスが介入すれば自宅での生活がよりスムーズにいくか、カンファレンスをする→退所後にはその時点でのサービスが妥当か、よりよい生活のためには何が必要か指導する

というように、入所前から退所後までの高齢者の生活の旗振り役だと思ってもらえれば、と思います。

 

給料はどうなの?

給与面に関しては、正直勤務先によるとしか言えません。しかし経営母体が医療法人であることが多いため、それなりの水準であると思ってください。実際に私は田舎に住んでいる30代ですが、平均年収以上はもらっています。

証拠は…ある月の給与明細の一部をご覧ください。

     

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また業務の性質上施設全体についての把握が必要であったり収支のキープレーヤーだったりしますので、将来的に事務長のポストが見えてくるなど、給与が高くなる可能性も秘めています。そういった野望を持っている方にも、ぜひ挑戦していただきたい仕事です。

 

長くなりましたが…

相談員は、直接的に利用者に対し何かができる職種ではありません。

ただし、地域で再び生活したいと考えている高齢者にとって重要な人物であることは間違いありません。

本人、ご家族、フォーマルインフォーマル含めた支援者…色んな方を当事者として巻き込みながら、地域包括ケアと本人のQOLの向上にむけて力を注ぐことができる、非常にやりがいのある仕事です。

今回の記事を読んで、一人でも仲間が増えてくれると嬉しいな、と思っています。