読みました!ビターエンドロール

皆さんこんにちは。

Harukich@社会福祉士です。

先日、社会福祉士として気になる漫画が発売されました。

その名も、「ビターエンドロール」

今日は仕事が休みだったので本屋さん巡りをしていたところ、無事に見つけることができたので購入しました。

MSW=医療ソーシャルワーカーは、社会福祉士国家資格を持つ人にとって人気のある職種の一つです。この漫画は、そんなMSWとして働き始めた主人公が様々な患者と出会い対応していく様子を描いた作品です。

病院を題材にしたドラマや漫画作品は今までも多くあり、その大半は医師や看護師といった医療職が主人公でした。一方でソーシャルワーカー社会福祉士を主人公としたメディアは少ないですが、最近だと女優の吉岡里帆さんが主演した「健康で文化的な最低限度の生活」が有名な作品かと思います(現在もビッグコミックスピリッツで連載中ですね)。

さて今回のブログは、漫画「ビターエンドロール」第1巻を読んだ感想をお伝えしながら、この漫画を通して広くMSWという職種の認知度が高まってほしい、という願いを込めて記事を書きました。極力ネタバレ要素は避けましたので、気になった方はぜひご購入いただくか、この文末に第一話試し読みサイトのリンクを貼っておりますので、アクセスしてみてください。

 

 

はじめに

私は以前、病院でMSWとして勤務したことがあります。

病院には全部で五種類の病床があるのですが(一般病床、精神病床、結核病床、感染症病床、療養病床)、私が働いていたのは療養病床です。わかりやすい言い方をすれば老人病院で、そのほかの病床での治療が終わったけどまだ医療的な処置が必要な方(維持透析や酸素療法、癌に対する麻薬を使った疼痛緩和、など)が入院し、大半の方が穏やかに最期を迎えていただくための場です。

一方今回の主人公が務めるのは一般病床を持つ総合病院で、簡単に言うと救急車の受け入れをしている病院です。漫画やドラマなど、病院を題材にした作品の多くが総合病院を舞台にしていますね。

したがって私自身は、総合病院でのMSWの働き方がわかりません。療養病床では入院患者のほとんどが高齢者で、疾患に対しても受容期にあり、DNARも了承を得ています。手術などの大掛かりな治療はしませんし、無保険の方もいません。

この漫画を読むことで多くの学びを得つつ、社会福祉士としての考え方を深められたら、と思います。

感想

あらすじを書こうかとも思いましたが、ネタバレするわけにはいきませんので早速感想に入りたいと思います。

①患者の気持ちに寄り添おうとしている

福祉従事者には、対象とする利用者に対し寄り添うことを求められています。では「寄り添うとは何か」というと一言では言い表せませんが、この漫画の主人公は患者一人一人に対して寄り添おうとしている様子がうまく描写されています。患者のありのままの姿を受け入れ、共に患者の将来のことを考え、患者の自己決定を支えております。

「ケースワークの原則」という本があります。

私は、社会福祉士ソーシャルワーカーがバイブルにすべき本の一つだと認識しております。いわゆるバイステックの7原則というものですね。

 

harukichi-sw.hatenablog.com

こちらの記事では、7原則を簡潔に私の解釈でお伝えしています。

先述の感想の中には、その7原則の中の「受容」および「クライアントの自己決定」が含まれています。

ソーシャルワーカーにとって一回一回の面接時間は長く設けることはできませんが、その短い時間の中でこの7原則に沿って面接をしていることが、この漫画からはうかがい知れます。

②面接場面で泣くことは是か

「統制された情緒的関与」

という原則があります。この原則によると我々ソーシャルワーカーは、自分自身の感情を自覚しながら面接に挑む必要があります。この漫画では、主人公が面接場面において泣き感情をあらわにする場面が何度も見られます。しかしソーシャルワーカーは、一対一で挑む面接場面において、「泣く」という行為がクライアントに対してどのような影響を及ぼすかを考えながら面接をしなければなりません。その証拠にSV(スーパーバイザー)である先輩MSWも、主人公が泣いたときには咎めようとした様子が描かれていました。

まぁこの辺りは、今後の主人公の成長に期待、ということでしょうか。

ちなみにですが、泣くこと自体が駄目だとは思いません。私は面接場面で泣いたことはありませんが、感情が揺さぶられたことは何度もあります。泣く以外の手段を使い、自分の思いを伝えるようにしています。

読もう!ビターエンドロール

さて冒頭でお伝えしたように、ビターエンドロールは現在アフタヌーンにて連載中です。公式HPから第一話を試し読みできますので、気になった方はぜひご一読ください。

afternoon.kodansha.co.jp

 

そしてこの漫画をきっかけに、多くの人がMSWという職種を知っていただけますように。

病院で働く人が、病気を治すだけでなくその後の生活を支える人もいる、ということが広く周知されますように。

社会福祉士の、ソーシャルワーカーの認知度が高まることを願って。