信頼関係の構築に!バイステックの7原則とは!?

皆さんこんにちは。

Harukich@社会福祉士です。

社会福祉士の方にはなじみの深い、F・P・バイステック。かの有名な「ケースワークの原則」の著者ですね。

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本の副題には「援助関係を形成する技法」とあるように、この原則はソーシャルワークを行うにあたり大切にすべき、入り口の第一歩でありかつ根幹であると私は考えています。

そして活用すべき場面はソーシャルワークに限らず、日ごろ接する方や大切にしたい方など、いろんな人とのコミュニケーションをとるときに使える原則だと私は考えています。

そこで今回のブログでは、7原則それぞれをできる限り簡単に解説します!

この記事を読んでくださった皆さんが、少しでも多くの方と円滑にコミュニケーションを図れるようになることを願っています。

 

 

 

個別化

一つ目の原則は、「個別化」の原則です。

多くの人と接するこの仕事。幾度となく、似ているケースに遭遇することがあると思います。しかし個々に抱える問題は異なるため、一つ一つが独立したケースとして対応しましょう、ということです。

例えば…中学英語で、「a」と「the」の違いを習ったこと、覚えていませんか?イメージとしては、この「a」と「the」の違いと同じように考えると良いかもしれません。

かごの中にリンゴがたくさん入っています。

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「かごの中からリンゴを一つ取って食べた」だと「an apple」なのですが、

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「この(特定の)リンゴを選んで食べた」だと「the apple」になる。

似ていても違うのだから、それぞれに合った対応をしよう、ということです。

偏見や先入観にとらわれず、一人を一人として認識し、丁寧に対応しましょう。

 

意図的な感情の表出

二つ目の原則は、「意図的な感情の表出」の原則です。

福祉の相談に来る方は、様々な感情を持っています。喜や楽といったプラスな感情だけでなく、恕や哀といったマイナスな感情を持っている方は少なくありません。

ケースワークにおいては、そういったマイナスな感情も含めて自由に感情を表出してもらうことを促します。

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上のイラストの女性、なんだか困っている様子ですよね。思っていることをすべて吐き出してもらえるような環境づくりを行うのです。

皆さんも、信頼している相手ほど怒りや悲しみといった感情をぶつけやすくありませんか?

 

統制された情緒的関与

三つ目の原則は、「統制された情緒的関与」の原則です。

実はわたくし、この原則の内容を理解することにとても時間がかかりました。

「援助者は自分の感情を自覚して吟味する」との説明がありますが、

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「はい?」という思いでした。

 

さて、二つ目の原則にあるように、相談者は援助者に対し色んな感情を表出します(あえて表出してもらいます)。

その感情に対し、都度適切に反応しよう、ということです。

では適切とは何か。喜びの感情に対して一緒に喜ぶことは良いと思いますが、怒りの感情に対し一緒に怒ってしまうと、どうなるでしょうか。

悲しい気持ちを訴えたときに、安易にうなづかれるとどう思いますか?

 

私としては、先ほどの面接場面を、対応している様子を俯瞰してイメージで挑むようにしています。

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上図を参考に、面接している自分も含めて、全体を上の方から眺め見るようにして面接に挑むと、適切な反応をすることができるでしょう。

 

受容

四つ目の原則は、「受容」の原則です。

この記事を読んでくださっている男性諸君、奥さまや彼女等大切な女性から相談されたとき、「こうすればいいじゃん」とアドバイスしたことありませんか?その時あなたの大切な女性は、どのような反応をしましたか?

もしかしたら相手は、答えなど求めていなかったのかもしれませんね。

福祉の相談・面接場面でも似たようなことが言えるかと思います。

我々支援者は、相談者に対し評価を下す人間ではありません。抱える問題を解決するお手伝いはできますが、あくまで解決するのは相談者自身です。

解決のお手伝いをするにあたり大切なのは、相談者の言っていることをありのままに受け止めることです。

決して否定などせず、大切な意見として尊重して対応しましょう。

 

 

非審判的態度

五つ目の原則は、「非審判的態度」の原則です。

我々支援者は、医師や警察、裁判官ではありません。犯罪等の絶対にしてはいけない行為を除き、相談者の行った行動に対して善悪を決めつけてはいけません。

例えば、親しい方に悩み相談をしたときに、「それは駄目だよ」と言われたらどう思いますか?

また、これから関係性を築いていくであろう人に「それは駄目だよ」と言われたらどう思いますか?

先入観や偏見の目を持つことなく、接するようにしましょう。

 

クライエントの自己決定

六つ目の原則は、「自己決定」の原則です。

相談者の今後を決める際、その方向性を決めるのは誰だと思いますか?

将来を考えたとき、分岐点において進む方向を悩んだとき、「あなたはこっちの道を選びなさい」と周りの方に言われたらどう思いますか?

主体となるのは相談者:クライエントです。クライエントが自身で解決への道を決定できるよう、支援をするのが我々の仕事であります。

クライエントの自己決定を促し、尊重しましょう。

 

秘密保持

最期、七つ目の原則は「秘密保持」の原則です。

近ごろSNSにおいて、「その情報のアップしていいのか」と思うような投稿をよく見かけます。

支援過程において、どうしたら良いのだろうかと悩むことは多々あるかと思います。しかし、安易にSNSにアップすることは止めましょう。その様子を相談者が見たら、どう思うでしょうか。

親しい人に「秘密だよ」と相談したことを、違う人がうわさしていたらどう思いますか?

個人情報はしっかりと管理しましょう。

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最後に

今回は、「バイステックの7原則」についてお伝えしてみました。

この原則は福祉の面接場面に限らず、日常生活においても活用できる場面は多いかと思います。

また私の現時点での解釈でありますので、今後も7原則に対する考え方は変わるかもしれません。皆さんにとってもそれぞれ考えることは違うでしょう。

ぜひ皆さんの考える7原則の重要性についても、教えてもらえたらと思います。