老後2000万円問題を考えよう 

皆さんこんにちは。

Harukich@社会福祉士です。

「老後を生き抜くには2000万円必要だ!」と叫ばれて久しいですね。

今回のブログでは、普段介護施設の相談員という立場から高齢者のお金問題と向き合っている私が、施設に入る段階でいくら手元にあれば大丈夫か、をお伝えします。今実際に家族の介護問題に直面している方や、「老後に向けていくら貯めればいいのだろう?」と悩んでいる方など、様々な方の参考になれば、と思います。

 

 

あなたは家族に介護をさせたいですか?それとも施設に入りたいですか?

あなたは生活全般で介護を受けなければならない状況となった時、どこで生活したいですか?

老後いくら必要か、という問題には、どこで生活するかで考え方が変わってきます。月々に係る金額としては、家で生活するより施設へ入ると倍近く係ると考えてもいいかもしれません。

しかし私個人の考えとしては、施設へ入所することをお勧めします。

どのような状況であったとしても介護が必要な状況となった時に自宅で生活していると、家族の手を借りなければならない時が出てきます。これは極論ですが、ご自身の子どもに自分のおむつ替えをさせたいですか?ということなんですよね。

したがって今回の記事では、施設へ入所するためにお金を貯めることを前提とします。

 

年金受給額はいくらか

さて、あなたはご自身の年金受給額をご存じですか?

国民年金を満額受給できる場合、いくらもらえるか知っていますか?

現在の国民年金は、満額で二月で13万円、ひと月6万5千円受給することができます。会社員の方はこの額に加えて厚生年金がもらえますよね。

ただしこの額は現時点の受給額であるため、私たちが将来年金を受給できるようになる頃には額が減っている可能性があります。

したがって、自身の年金受給額に合わせて老後資金は準備する必要があります。

 

施設の費用はいくら?

さてここで、一般的な施設に入った時の費用を想定して、話を勧めましょう。

特別養護老人ホームの場合」

特別養護老人ホーム、通称特養は、ユニット型か従来型かで費用が異なってきます。が、概ね14万円程度としましょう。

ちなみに特養は、現行では要介護3以上にならないと入所できません。

ですが実際には要介護3の方は入所の優先順位が低い場合が多いです。

かつ私たちが要介護状態となるころを想定すると…もしかしたら要介護4以上が施設申し込みの基準となっているかもしれません。

 

いくら準備する?

さて、では計算してみましょう。

特養に入所する場合の14万円-国民年金受給額6.5万円=7.5万円!

月7.5万円×12か月=年90万円

ちなみに特養への平均入所期間は4年だそうです。

90万円×4年=360万円!!

特養への入所を想定した場合、入所前に手元に少なくとも360万円あるじょうきょうにしておきましょう。

 

360万円準備しよう!

さて今回は、老後2000万円問題に対し、施設に入る直前にいくら残しておくと良いか、という面からアプローチしてみました。

こういったニュースはどうしても数字が独り歩きしてしまいますが、どのような生活を送りたいかを想定して、その上で金額を考えていくと具体的になりますね。

実際には病院へ入院することがあったり、実際に亡くなった時には別で費用が必要だったりするかと思います。

しかし、2000万円は必要ない、ということがわかれば、少しは肩の荷が軽くなったのではないでしょうか。とは言え資産形成は重要ですので、早い段階から準備するようにしましょう。